まず、訪問販売イコール全て悪徳ではありません。でも残念なことに現代ではほとんどが、あまり良心的でない訪問販売が多いのは事実です。悪徳とまではいかないけれど、ちゃんと調べて信頼できる業者さんに頼めば、もっと安く確かな工事をしてもらえた、というケースがほとんどです。
訪問販売のセールスマンは、基本的にノルマ制で働いています。契約した数で報酬が決まるのですから、向こうも必死で売りたがります。この人には売れそうだ、と思ったらガンガン押してきます。
「このままにして置いたら危険、命にかかわる事故につながる」
「今しかこの価格で工事はできない」
「内緒でこの価格でやっているので、他の人には言わないでください」
「みんな黙ってるけど、この近所の人はほとんどやっている」
「今が最後のチャンス」
この言葉を、言い回しを変えつつ攻めてくるのは必然でしょう。考える時間を与えずに、畳みかけてきます。気が弱かったり、人を信じてしまうタイプの人は逃げられなくなってしまいます。そして残念なことに、ターゲットにされるのは主に高齢者です。インターフォンを鳴らしたら、疑いなくドアを開けてしまう高齢者は意外と多いのです。ほとんどの高齢者は、人と話すことが嫌いではありません。そこにうまくつけこんで、雑談や世間話から入っていって心を開かせる場合もあります。
次に狙われるのは、昼間一人でいるか小さな子供と二人でいる主婦です。その場で相談する人がいないと、物事を正しく判断するのが難しくなるそうです。小さなお子さんがいる場合は、お子さんの話題から入ってきたり、お子さんの機嫌を取ってなつかせるのも、営業をうまくいかせるコツなのだそうです。そしてお子さんがぐずってきたら、そっちに気を取られている隙に契約してしまうなんてこともありますので要注意です。1人の時はドアを開けないのがベストだと思います。
また、「この地域の点検に回ってきました」と、さも当たり前のように乗り込んでくるパターンもあります。
「保健所の方から来ました」
「消防署の方から来ました」
この言葉の意味は「保健所の職員が条例などで決められた点検をしに来た」なのではなく「保健所がある方向から来た」という意味なのです。違法すれすれですね。本当に決められた点検ならば、あらかじめちゃんとした形で予告があるはずなんです。広報誌に乗っている場合もありますが、「〇月〇日 〇時頃 こういった目的で点検に伺います」などの、市役所などが発行したチラシが入るはずです。
本当に必要な人に必要なものを売る訪問セールスマンは、まず会社名入りの名刺を持っています、そしてそれを初めに提示します。納得がいかない時やトラブルが起きた時にはここに連絡してください、とその地域の消費者センターのパンフレットを一緒に出す人もいるそうです。でも、基本的に訪問販売で買うものに、本当にお得なものはありません。悪徳業者じゃなさそうだから大丈夫、ではありません。その気はないのに長い話を聞かされるのはかなりのストレスです。話を聞かない、ドアを開けない、というのが一番のトラブル防止法という事になりますね。
特に外壁工事や屋根のリフォームの訪問販売は、残念なことにほとんどが悪徳業者か、悪徳スレスレの業者だという事は事実です。
中にはあらかじめ屋根や外壁に傷をつけておいて、その後に訪問してきて「たまたま通りかかったら、あそこが傷ついていて大変だと思い訪問しました」と平気でセールスを始める場合もあります。屋根の場合、雨もりが起こるように屋根の瓦を壊したりすることもあるそうです。点検すると言って屋根に上り、その場で壊すという強引なやり方です。証拠が出ないようにうまくやるそうですが、これはもう疑いなく犯罪ですね。そういうトラブルを防止するために、その場で屋根に上らせたりしないようにしましょう。
先ほども触れましたが、訪問販売のセールスマンはそれで給料をもらっているだけではなく、契約数によって給料が増えているのです。いわばプロなのです。ほとんどの人が、営業トークには騙されないと思っています。テレビのニュースなどでそういう話題が出たら、「そんなのに騙される人もいるんだな」などと他人事に思っているはずです。そこまで手口を知っていても、騙されてしまうのです。
本当にご自宅の外装の劣化を気にされている方がいたら、まず、信頼できる業者に見積もりを頼みましょう。地元で古くからやっていて、昔から信頼されている業者さんや有名な大手の業者さんの方が安心できます。ただ、方法(どこまでやるのがいいか)や価格など、一カ所の業者さんの見積もりだと不安ですね。そういう場合は一括見積もりサービスを利用してみてはいかがでしょうか?複数の業者さんから見積もりをとることができるので、比較して決められるので安心です。ネットで検索すればすぐに出てきますし、もし身近な高齢者の方が悩んでいたら調べてさしあげると喜ばれると思います。